こんにちは。かめたろうです。
最近よくお客様から旅館のサービスが低下しているとの指摘を受けます。
原因はコロナによる休業
もともと慢性的に旅館やホテルは人手が不足していました。
労働環境としても深夜勤務があったり早朝勤務もあったりして、ほぼ24時シフトに加えて、お世辞にも給料が高いとはいえず、一部の経営がしっかりした旅館以外は従業員の入れ替わりが激しく、コロナ前は外国からの労働力にかなり頼っていた状況でした。
ここにコロナが襲い掛かります。宿泊業は人為的に抑制をされたため、ほとんど休業状態に入ります。
旅行会社もそうでしたが、2020年の春からは全くお客様が来なくなってしまったため、政府の雇用調整助成金を獲得するために社員をほとんど休ませる事態になります。
もちろん雇用調整助成金を貰っていれば経営は安泰というわけではありません。
特別措置が取られたとはいえ、1日休業で15,000円ほどの助成金。1か月に20日間フルに休んでも入ってくるお金は30万円程度。
この中で社員の給料を元通り払えるはずもなく、お客様が来ないというモチベーションの低下に減給などが追い打ちをかけ、転職をしていく従業員が大量に発生しました。
コロナが多少社会に馴染みだし、宿泊客が戻ってきても一度いなくなった従業員は簡単に戻ってきません。優秀な方はすでにほかの仕事を見つけていますし、新規で雇用をしようにも世間には旅行関連はもはや〝オワコン〟的な印象もあり、なかなか思うように人材確保ができていないのが現状だと思います。
感染症対策を理由にしたサービス低下
このような事情でホテル・旅館では〝セルフ化〟が進みました。
ビジネス系のホテルでは無人のチェックイン・チェックアウト化が進み、客室の冷蔵庫には飲料の販売がなく、館内の売店や自動販売機で飲料を販売。
長期滞在でも客室の清掃やアメニティの補充がないことが多くなりました。
高級な旅館にも影響が出てきています。
人手不足は仕方がないと思いますが、問題なのはその理由を〝感染症対策〟にしていることです。
先日、伊勢志摩方面にある有名旅館にお客様を紹介してお泊りいただいた時の話ですが、旅館に到着したお客様から電話が入りました。
こういうタイミングでの電話は大体いい話ではありません。恐る恐る電話に出てみると〝旅館の対応がが悪い〟とのこと。
詳しく聞いてみるとこんな内容です。
①玄関に到着した時に出迎えがない
②部屋まで荷物を運んで案内してくれない
③部屋に入ってもお茶を出したり館内案内をしてくれない
私の知っている限りでは、このようなサービスはこのレベルの旅館であれば必ずやっていること。
さては、と思い旅館のホームページをチェックしてみるとやはり旅館からのお知らせに『新型コロナウイルス感染症拡大防止への取組み』というのがあります。
消毒のお願い、パーテーション設置、ソーシャルディズタンスの確保などの中に紛れて一文『また当面の間、お客様のお荷物の運搬や客室へのご案内、呈茶等のサービスは行っておりません』とあります。
確かに必要なことでも多いとは思いますが、非日常の空間とおもてなしをする業種である以上、ある程度のヒトによるサービスが必要だと思います。
どうもこういう案内を見ると、本当は人手不足なのを感染症対策に置き換えてごまかしているように見えてしまいます。
実際、もっとお値段の張って人材が確保できている旅館では、マスクやフェイスカードの徹底や手袋をしての接客などの努力をしてサービスを提供しています。
人材不足という問題があるので仕方のないことかもしれませんが、何とか頑張ってほしいと思います。
効率化にお金を使ってほしい
どうしたらこの状況を打開できるかですが、観光支援策としてGOTOトラベルを代表とする補助金などもお金を回すという意味ではいいと思いますが、根本の解決にはなりません。
少ない人材でも経営ができるように可能であれば旅館のDX化などに補助金が出るといいかなと考えます。しっかりとした会社が経営しているホテルや旅館は予約システムなども進んでいますが、地方の温泉旅館などはいまだにFAXでのやり取りが主体。
もちろん楽天やじゃらん等のシステムは導入していますが、その他は全然進んでいません。
メールのやり取りができるのは予約の責任者だけ。アドレスも１個しかないなんて旅館もいまだにあります。
そのあたりの機材やノウハウ導入に対して助成金を出してあげるなどの取組をするのも効果があると思います。
予約・精算・日報業務などを機械化できれば人でしか対応できないサービスに力を注ぐことができると思います。
本当は給料が高くなるのが一番いいと思うのですが、簡単にはいかないと思いますので、少しづつ良くなってくれることを願っています。
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